青梅成木台病院

診療のご案内 SERVICE

ご家族の皆様へ

認知症の方への対応

治療することの大切さ

認知症は早期に病院を受診して、適切に対応することで、病気の進行を遅らせることができます。

ご本人はどんな気持ちでいるのでしょうか?

・今まで当たり前のようにできていたことができなくなる苛立ち
・簡単なことをミスする情けなさ
・自分がどうなっているのか分からない不安

多くの認知症の方が自分の中に起きている変化を周囲に気づかれないように隠そうとします。そのため、もの忘れなどを指摘されると、イライラして怒りっぽくなることもあります。ご家族から見れば、以前と人柄が変わり、自分勝手になったように見えるかもしれませんが、ご本人は今、誰にも言えない不安を一人で抱えている状態であることを理解してあげてください。

どんなふうに診断をはじめればいい?

少しでも早く病院へ行くことは、病気を悪化させないためにとても大切なことです。しかし、認知症が初期の場合、病気に対する不安や加齢による一時的なものと考えて、病院へ行きたがらないこともあります。

誘い方の例

  • 娘・息子から「元気で長生きしてほしいので、早めに受診して」
  • 妻から「私の検診につき合って」
  • かかりつけ医から勧めてもらう「もの忘れに対して、とても良い薬があるからまずはよく調べてもらおうよ」

認知症チェックをやってみましょう!

質問1 「今日の日付は?」
◻︎何年 ◻︎何月 ◻︎何日 ◻︎何曜日
質問2 「ここはどこですか?」
◻︎何県 ◻︎何市
質問3 (最初に、質問者が思いつく単語3つ言ってください。「緑、犬、飛行機」など)「今の単語を繰り返してください」
◻︎(3つ正解すればOKです)
質問4 「100から順に、7をひいていってください」
◻︎93、86、79、72、65(65まででOKです)
質問5 「質問3.で言った単語を繰り返してください」
◻︎(3つ正解すればOKです)
質問6 「ちりもつもればやまとなる」と言ってください」

このチェックリストはあくまでも目安で医学的診断に代わるものではありません。ほかにも気になることがあれば、早めに医師に相談しましょう。

介護をするために

ちょっとした対応で、生活への負担を変えることができます。

介護の負担はとても大きなものですが、対応のポイントを知っておくと、生活への負担を減らすことができます。

CASE1:ご飯を食べていないと言いはる。

原因:認知症の初期ではついさっきの出来事すべてを忘れてしまうようになるため「何を食べたか?」ではなく、たべたことそのものを忘れてしまっています。「飢え死にさせるつもりか!」などと言ったりもします。
対応方法:「おいしかった」「たのしかった」という感情はのこりやすいため、できるだけ、一緒に楽しく食事をしてはいかがでしょうか。
「ご飯を食べましょうね」と言って軽い食事を出したり、「そうでしたね」と受け入れて、簡単なおやつをあげてはどうでしょうか。

CASE2:何度も同じ質問を繰り返す。

原因:この背景には、自分が忘れやすくなっているというご本人の強い不安があります。言い換えれば、ご本人が忘れたくない、注意しておきたいと思っていることを繰り返し確認している可能性があります。
対応方法:「さっきも聞いたよ!」などの指摘はせず、可能ならば根気よく、やさしく答えてください。その質問の背景に、ご本人がどんなことを心配しているのか理解することも重要です。
※リビングに大きなカレンダーを貼り、そこに一緒に書き込むことで、曜日の感覚や行事を印象づけることができるかもしれません。

CASE3:物がなくなった、盗られたと言い出す。

原因:これは認知症で多い「物盗られ妄想」という症状です。このような妄想は、認知症になる前に、仕事熱心で責任感が強い人に多いと言われています。自分で自立して生きてきた方には、「自分が忘れる」ということを受け入れられないため、「盗られた」と解釈することで自分を納得させているのです。
対応方法:物盗られ妄想は、否定するとますますこだわりが強くなります。「一生に探しましょうね」と受け入れて対応することも必要です。
ご本人が寂しさ不安を抱えていることをくみ取り、「もし、探して出てこなくても、私が貸しますから大丈夫ですよ」と安心させることで、気持ちが和らぐかもしれません。

CASE4:毎日の料理がいままでのようにできない。

原因:認知症により判断力が低下するため、同じ献立が続いたり、スーパーに行っても何を買っていいか分からなくなります。また、調味料をどのくらい入れればよいか判断できず、味付けが今までと変わってくることもあります。
対応方法:買い物のときは必要な物リストを作ってみてはいかがでしょうか。
台所で道具を見て使い方など迷っていても、「わたしがやりますよ」と代わってしまうのではなく、ゆっくりと時間をかけて一つ一つ動作をアドバイスしてみましょう。
※ご本人の「料理を作りたい」という気持ちを大切にして、ゆっくりと進めてもらいましょう。できることも取り上げてしまうと、徐々に自分で何をしようという気持ちそのものもなくなってしまう可能性があります。

CASE5:季節や場所に合わない服装をする。

原因:季節感が徐々に薄くなり、判断力が低下していくため、今、どんな服装を選べばよいか分からなくなることがあります。また、「きれいに装いたい」など意欲も低下して、「何でもいい」という考えになってしまいがちです。
対応方法:「この青いセーター、似合いますね」と、季節に合った服を、ご本人に薦めるのはいかがでしょうか。
「似合っている」、何気ない言葉ですが、褒められることは、ご本人には大きな安心と喜びになるかもしれません。

CASE6:外出しようとする。

原因:漠然とした不安感、落ち着かない気分があり、これによって当てもなく歩き回ったりすることもあります。また、自分の居場所をなんとなく求めて、外へ無断で外出することも少なからずあります。
対応方法:外出を止めるのではなく、「お出かけは、後で一緒に行きましょうね」と、こちらから外出するタイミングを提案することも大切です。「家に帰る」という場合には、「これから帰りましょう」と言って一緒に10分ほど散歩したり、外がもう暗ければ「今日はもう外が暗いから今晩はお泊りになって、明日お帰りください」と言って、ご本人に合わせた対応をするのがよいと思います。

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認知症疾患医療センターTEL

<参考文献:ヤンセンファーマ株式会社「認知症と毎日の生活」・エーザイ株式会社「認知症のお年寄りへの対応・小野薬品工業株式会社「それって、単なる「もの忘れ」?>